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二流のリーダーがやりがちな「部下の報告の聞き方」

AI時代のリーダーの原則⑧

■評価力~自身の評価力のゆがみを知る

 次に評価力も今後は重要になってきます。

 当たり前ですが、リーダーが、メンバーを評価しなければなりません。

 ではなぜ評価をする必要があるのでしょうか? それは、より頑張った人に成果配分を行う、評価することで競争心理を起こさせ成長を促すなどの目的があります。

 ただしこれはあくまで正しい評価をしていたらという話です。

 逆に間違った評価は、モチベーションを下げ、間違った競争心を引き起こす結果になってしまいます。

 評価をするのは人間ですから、多少は感情や私見が入るのは避けられません。
 しかし、評価はいわば、何が評価されるかの定規であるので、あまり曲がりすぎると部下は何を基準に仕事をしていいのかわからくなってしまいます。

 だから、評価軸は論理的に説明できるものでないとならないのです。

 わかりやすく言うと、同じ行動をしていても、ある時は評価されて、ある時は評価されないという状況は、その評価軸が評価者によって変化するということです。

 もちろん、成長して目標値が上がるということはありますが、評価者の気分次第で評価されるのは大変困った状態と言えます。

 このように「評価」は大変難しいのですが、リーダーは次の大事な原則を知っておく必要があります。

 それは「加点主義」と「減点主義」と言われる評価の原則です。

 まず減点主義は現状の義務教育の考え方と言えばわかりやすいでしょう。

 例えば、テストで100点満点が良いという基準が置かれ、ミスをすると減点されてしまう形式を減点主義と言います。

 これをビジネスに置き換えると、問題が発生します。

 それは新しいことに挑戦しないばかりか、高い目標を設定しなくなってしまうのです。

 ですからリーダーは加点主義を持つべきです。

 加点主義は、ゼロをベースとして出来たところを加点していきます。

 加点主義には、短所を見つけるより長所を見つける。挑戦して失敗しても良しとする考えが必要です。

 加点主義は組織の中でも「褒めあう文化」が育ちます。

 減点主義は「前例主義」がはびこります。

 どちらもリーダーの評価の姿勢次第です。

 部下に評価を正しく行なうには、毎日部下の評価をする意識をつけてください。昇給などに関わる評価は半年や一年ごとに行なうかもしれません。しかし、評価は毎日、常に行うものです。

 それは「ありがとう」という感謝の言葉を伝え、フィードバックや指導も常に心がけることから正しい評価力がつくのです。

 
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鳥原 隆志

とりはら たかし

株式会社インバスケット研究所 代表取締役。

1972年生まれ。大学卒業後、大手スーパーのダイエーに入社。販売部門や企画部門を経験し、10店舗を統括する店舗指導員(スーパーバイザー)として店長の指導や問題解決業務に従事する。管理職昇進試験時にインバスケットに出合い、研究・トレーニングを開始。その経験を活かして株式会社インバスケット研究所を設立。企業のリーダー研修などのためのインバスケット教材開発と導入をサポートする。日本で唯一のインバスケット・コンサルタントとして活動中。大企業の管理職研修など、1万5000人以上のリーダー育成を支援してきた。著書は『究極の判断力を身につけるインバスケット思考』(WAVE出版)など、40タイトル、累計50万部以上。



株式会社インバスケット研究所公式ホームページ

http://www.inbasket.co.jp/


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